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仮想敵

居合道では仮想の敵を想定して演武します。

その仮想敵とは、自分自身と同じ体型を持った敵です。こめかみ・水月・顎・臍などの位置が自分と同じで、即ち自分自身です。

江戸時代末期にペルーが浦賀に入港して2m近い大男の米兵を見て、当時平均1m60cmくらいの日本の侍が、背の高い面打ち(切り)をどうすればいいのか真剣に考え錬磨したそうです。居合は切りつける対象は他人ではありません、自分自身です。

 

その自分自身とは。憂き目に会ったら逃げそうになったり、ウソをついてごまかそうとしたり、ときには醜い人間そのものです。その弱い人間である自分自身を仮想敵として、抜きつけ・突き・切り付け、勝つことです。

稽古が終った後、身も心も洗われてスッキリした気分になります。弱い醜い自分が切り払われて純粋な心になれたからです。

 

先週16日は殊のほか寒い一日で16人の方が稽古に参加。それでも今日の稽古を風邪で休んだ人はいませんでした。暖かい炬燵やストーブでついうたた寝などをすると風邪を引きますが、寒い日の稽古では風邪は逃げてゆきます。

寒さの厳しいこの時期に居合道を始めてみませんか。見学は自由です。