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呼吸(その1)

普段の生活の中では呼吸については全くといってよい程意識をしていませんね。これは当然のことですが、呼吸を一番強く感じられるのは例えば何か気持ちの焦りがあったりするとセカセカと呼吸していることに気付く時とか、一方、達成感とか大きな満足感があるとゆったりと大きな呼吸をしている自分に気付くのではないでしょうか。

 

そして私たちは例えば肺に100の空気が入るとすると、普段は40とか50位の空気を吸ったり吐いたりしているに過ぎないと言われています。

それを100%常に交換していたら、頭の空気もいつも新鮮で明瞭、気持ちも常に明るくスッキリ、となるのでしょうがそんことばかりしていたらこの世知辛い世の中まともに生きてゆけない。

 呼吸のポイントは『吐く』ことにあると言われています。禅でも同じと聞いています。

居合の中にこの「吐く」ことを取り入れれば、技にもっと素晴らしいものが出せると共に自らの身体と心の浄化にプラスになると考えています。

 

因みに、「前」の抜きつけでは肩と腕の力を抜いて丹田を意識しながら「吐く」力だけで抜いてみる。

切り付けでは天井を掃く要領で大きく息を吐きながらに左拳が臍の前まで切り下ろし息を止めたところで残心。右足の踏み替え・納刀も吐きながら行うことで体の運用にも心の動きにも安定したものが出てくる。

居合で呼吸を取り入れるとすると、この吐くことをどのように取り込むのかを考えてみるといいと思います。

2日の稽古は、先月から入部された新人の方の対応に追われて呼吸の話しまで出来ませんでした。

いずれ機会をみて一緒に考えて見ましょう。